仕事に対して体が拒否反応を示したら

朝、目が覚めた瞬間から体が重い。
会社のことを思うと、吐き気がする。
通勤の支度をしようとしても、手が動かない。

「どうして自分は、こんなに仕事ができないんだろう」
そうやって責めていませんか？

でも、それは“怠け”でも“甘え”でもありません。
それは、体と心があなたを守ろうとしているサインです。

人は、長く強いストレスにさらされると、
頭では「行かなきゃ」と思っていても、
体のほうが「もう無理だ」とブレーキをかけてしまうことがあります。

たとえば、
・朝になると吐き気や頭痛がする
・電車に乗ると動悸がする
・出社を考えると涙が出る
・PCを開くだけで体がこわばる

こうした症状が出ているとき、
それは「病気になる前のSOS」です。
体が、あなたに「もうこれ以上は危険」と伝えている。

多くの人は、ここで「自分が弱いせいだ」と思って頑張ってしまいます。
けれど、それこそが一番危ない。
心が限界を超えたとき、次に壊れるのは体です。

昔は「根性で乗り切れ」「我慢が美徳」と言われました。
でも現代の仕事は、プレッシャーも情報量も多く、
根性だけで続けるにはあまりにも負荷が大きい。

スマホもパソコンも休まず動き続け、
人間関係も複雑になり、常に誰かと比較される時代です。
そんな環境の中で、心や体が悲鳴を上げるのは当然のこと。

それでも、「まだ頑張れる」と思い込んで無理を重ねると、
うつ病や自律神経失調症といった形で、
心身が完全にブレーキをかけてしまうことがあります。

体が拒否反応を示しているときに必要なのは、
頑張ることではなく、「休む勇気」です。

休むことはサボりではありません。
むしろ、これ以上壊さないための自己防衛です。

もし朝、体が重くて動けないなら、
正直に会社を休んでいい。
「体調が悪い」と伝えれば、それで十分です。

あなたの体は、あなたの味方です。
無理に逆らうのではなく、
「ありがとう、ちゃんと気づかせてくれたね」と受け止めてください。

休む時間は「自分を責める時間」ではありません。
むしろ、
「何が自分をここまで追い詰めたのか」を
静かに見つめ直す期間です。

・上司や職場の人間関係？
・業務量の多さ？
・自分の完璧主義？
・ただ単に疲れがたまっているだけ？

どれも、放っておくと再び同じことを繰り返します。
だからこそ、一度立ち止まって「心と体の声」を聞くことが大切です。

そして、必要であれば心療内科に相談してみてください。
心の専門家に話すことで、
「自分の状態」を客観的に知ることができます。

「みんな我慢してるんだから、私も頑張らなきゃ」
そう思う人ほど、限界を超えるのが早いものです。

でも、“みんな”はあなたではありません。
同じように働いているように見えても、
感じるストレスの量も、体の耐性も、人それぞれ違う。

他人と比べて頑張る必要なんてありません。
大事なのは、あなた自身がどう感じているか。
そして、どれだけ自分を大切にできるか。

もし、体の拒否反応が長く続くなら、
その職場や仕事自体が、あなたに合っていないのかもしれません。

「辞めるなんて逃げだ」と思う人もいるでしょう。
でも、それは逃げではなく、自分の命を守る選択です。

人生は仕事だけでできているわけではありません。
働く場所も、働き方も、時代とともに変えていい。
「ここでは生きづらい」と感じたら、
その感覚を信じて、次の場所を探してみてください。

体が拒否反応を示すのは、
“あなたがもう限界まで頑張ってきた証”です。

心や体が悲鳴を上げるまで働いて、
ようやく「休んでもいいんだ」と気づく人がたくさんいます。

でも本当は、壊れる前に休んでいいんです。
あなたが倒れても、会社はまわります。
でも、あなたの人生は、あなたがいなければ止まってしまう。

だからどうか、無理をしないで。
「行けない」「できない」と思ったその瞬間に、
自分を責める代わりに、守る決断をしてください。

あなたの体は、
「もう少し自分を大切にして」と教えてくれているだけです。

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