「今日はどうしても仕事に行きたくない」――誰しもそんな朝を迎えたことがあるのではないでしょうか。布団から出るのもつらくて、頭も体も重い。カレンダーを見れば会議や締切が並び、上司や同僚の顔を思い浮かべるだけで気分が沈んでしまう。そんなとき、多くの人は「休んじゃダメだ」「我慢して行かなきゃ」と自分を奮い立たせます。
でも、本当にそうでしょうか?
実は「仕事に行きたくない」と思ったときに休むことは、逃げでも甘えでもなく、自分を守るための大切な選択肢なのです。
なぜ「行きたくない」と感じるのか
まず考えたいのは、「行きたくない」という気持ちの背景です。理由はいろいろあります。
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単純に疲れている:連日の残業や睡眠不足で体が悲鳴をあげている。
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職場の人間関係がつらい:上司の叱責、同僚との摩擦、ハラスメントのような環境。
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仕事内容にストレスを感じている:業務量の多さや責任の重さで心が押しつぶされそう。
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気分が落ち込んでいる:プライベートの問題や、理由もなく気持ちが沈んでしまう。
どれも誰にでも起こりうることで、「自分だけが弱い」と思う必要はありません。むしろ心や体が「これ以上は危ないよ」と教えてくれているサインと受け止めるべきなのです。
休むことは「リセット」になる
多くの人は「休むと迷惑をかける」と罪悪感を抱きます。確かに、チームで働いていれば一時的に同僚に負担がいくこともあるでしょう。でも、それは誰にでも起こり得ること。あなたも誰かが休んだとき、自然とカバーした経験があるのではないでしょうか。
大切なのは「短期的な迷惑より、長期的に元気に働けること」です。無理をして体調を崩し、長期休養や退職につながれば、本人にとっても会社にとっても大きな損失です。1日、2日休んでリセットするほうが、結果的にはずっと健全なのです。
「休んでもいい」と自分に許可を出す
現代社会では「頑張ること」が美徳とされがちです。多少つらくても歯を食いしばって働く人が評価され、「休む人は甘い」と見られる空気もあります。ですが、これは時代遅れの価値観です。
本当に大切なのは「自分のコンディションを把握し、必要に応じて調整できること」。プロのスポーツ選手が試合に備えて休養を取るように、ビジネスパーソンも休むことでパフォーマンスを高めるのです。
だからこそ、自分にこう言ってあげてください。
「今日は休んでいいんだよ」
「休むことも仕事の一部なんだよ」
休むときのちょっとした工夫
休むと決めても、「どう会社に伝えよう」と悩む人も多いでしょう。そこで実践的なポイントをいくつか紹介します。
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シンプルに伝える
「体調不良のため本日休ませていただきます」――これで十分です。理由を細かく説明する必要はありません。 -
連絡は早めに
可能であれば始業前に伝えると、周囲も対応しやすくなります。 -
休むと決めたら罪悪感を手放す
休んでいる最中に「明日の業務どうしよう」と考えてしまうのは逆効果。休むと決めたら、徹底的に休みましょう。 -
心身を回復させる行動をする
睡眠をたっぷりとる、自然の中を散歩する、好きな音楽を聴くなど、自分なりのリフレッシュ法を取り入れると効果的です。
休んだ後に意識したいこと
休むことは悪いことではありません。ただ、休んだ後に少しだけ「なぜ休みたい気持ちが強かったのか」を振り返ると良いでしょう。
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慢性的な疲れが原因なら:生活リズムや働き方を見直す。
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人間関係が原因なら:信頼できる人に相談する、部署異動を検討する。
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仕事内容が原因なら:上司と調整したり、スキルアップを考える。
休むことは「気づきのチャンス」でもあります。そのサインを無視せず、今後どうすればもっと心地よく働けるかを考えるきっかけにしてみましょう。